我が家の第2子である息子は、生後6ヶ月~1歳0ヶ月までヘルメット治療をしていました。
ヘルメットのメーカーは「スターバンド」です。
日本で使用できるヘルメットのメーカーは数社あり、ヘルメットの性能や治療にかかるお金に違いがあります。
この記事では、各社Webサイトや、スターバンドの販売元AHSビジターズオフィスで聞いた話(なので、やや偏りがあるかもしれませんが…)をもとに、各社ヘルメットの違いについてまとめました。
実際にはメーカーごとの性能の違いよりも(我が家のように)「無理なく治療に通えるか?」ということがポイントとなって、メーカーを決定する方が多いように思います。
日本で主に使われている治療用ヘルメットは3社
世界には約50社のヘルメットメーカーがありますが、日本で使われているのは米国のOrthomerica社、同じく米国のDanmar Products社、そして日本のジャパン・メディカル・カンパニーの、計3社製治療用ヘルメットです。
治療用ヘルメットは大きく、
- アクティブタイプ
- パッシブタイプ
に分けられます。
「アクティブタイプ」と「パッシブタイプ」には次のような特徴があります。
- 成長に合わせて数mm単位でフォーム材を削るため、矯正力が高いといわれる
- ひとつのヘルメットで治療が完結することが多い
- 大きめに作られているのでゆるくずれた状態での装着となり、ホールド力・矯正力が(アクティブタイプに比べて)低いといわれる
- ヘルメットの作り替えが必要となることもある
日本で使用できる「アクティブタイプ」の治療用ヘルメットは、米国のOrthomerica社製「スターバンド」のみ。
一方、「パッシブタイプ」の治療用ヘルメットには、米国のDanmar Products社製「ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット」と、日本のジャパン・メディカル・カンパニー製「アイメット」「クルム」があります。
- アクティブタイプ:スターバンド
- パッシブタイプ:ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット、アイメット、クルム
メジャーどころは「スターバンド」と「アイメット」ではないでしょうか。
上の表中にある「矯正力」に関する記載は、「スターバンド」の販売元AHSビジターズオフィスで聞いた話なので、やや偏りがあるかもしれません。
実際に、「アイメット」販売元のWebサイトを見ると、矯正力に差はないとのことでした。
我が家は「アクティブタイプ」である「スターバンド」で治療しましたが、ヘルメットの内部は発泡スチロールのような材質でできていて、定期的に通いながら、ヘルメット内部のきつくなってきた部分を、mm単位で削って微調整してもらっていました。
「パッシブタイプ」の治療用ヘルメットでは、
- 「アイメット」「クルム」→ 低反発クッションを貼り換え
- 「ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット」→ ねじで調整
というように、調整の方法に違いがあります。
治療用ヘルメットの比較
日本で使用できる3社製の治療用ヘルメット、4製品を比較した内容をまとめました。
スターバンド | アイメット | クルム | ミシガン頭蓋形状 矯正ヘルメット | |
---|---|---|---|---|
分類 | アクティブタイプ | パッシブタイプ | パッシブタイプ | パッシブタイプ |
製造 | 米国 Orthomerica社 | 日本 ジャパン・メディカル ・カンパニー | 日本 ジャパン・メディカル ・カンパニー | 米国 Danmar Products社 |
治療にかかる費用 (税込) | 測定費用:10,000円 本体費用:440,000円 | 診察・検査費用: 約50~60万円 | 不明 | 診察・検査費用 約40~50万円 |
治療期間 | 5ヶ月前後 ※最大6ヶ月 | 半年~1年 | 医師と相談 | 平均5ヶ月 |
通う頻度 | 約2~6週間に1回 | 約2~4週間に1回 | 医師と相談 | 約4~6週間に1回 |
適応月齢 | 3~18ヶ月 ※首がすわってから | 2~8ヶ月で 治療開始推奨 | 2~8ヶ月で 治療開始推奨 | 3~18ヶ月 ※首がすわってから |
重さ | 180~300g | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
通気性 | △ | 〇 | ◎ | 〇 |
お手入れ | 水洗い× アルコール消毒のみ | ヘルメット:水洗い〇 クッション:水洗い× | ヘルメット:水洗い〇 クッション:水洗い〇 | 水洗い〇? |
デザイン | 50種類以上 | 1デザイン 1カラー | 1デザイン 3カラー | 30 |
フォローアップ施設数 | 51 | 23 | 19 | 不明 |
違い①治療用ヘルメットのタイプ
上に書いたように、治療用ヘルメットは大きく「アクティブタイプ」と「パッシブタイプ」に分けられます。
治療用ヘルメットは、各社すべてオーダーメイドではありますが、「アクティブタイプ」は「成長に合わせて数mm単位でフォーム材を削る」ことで調整するため、より矯正力が高いといわれています(※メーカー談)。
違い②製造国
これまで治療用ヘルメットは米国製が主流でしたが、日本製の治療用ヘルメット「アイメット」が登場しました。
日本の気候や日本人の赤ちゃんに適した仕様を考えて開発したのが、アイメットです。
アイメットは、使用素材や構造など、そのすべてが日本の気候や日本人の赤ちゃんの体格を考えぬいたものです。
アイメット公式サイトより引用
我が家で使用していた米国製「スターバンド」は、穴がほとんど空いていないため、通気性は悪いです。冬中心の治療だったのでなんとかなりましたが、初夏になると汗がすごくて、付けるのがかわいそうになるくらいでした。
一方で日本生まれの「アイメット」は、穴がたくさん開いており、通気性がよさそうです。
高温多湿の日本でも、快適なヘルメット矯正のために、ヘルメット側面には多くの通風孔を設計。汗は内部のスポンジが吸収し、ムレによる肌トラブルを軽減します。
アイメット公式サイトより引用
さらに「アイメット」と同じメーカーから最近発売された「クルム」も、表面にたくさんの小さな穴が開いていて、通気性はかなりよさそうに見えます。
また、ヘルメットの重量にも違いがあり、米国製「スターバンド」に比べて、「アイメット」「クルム」のほうが軽いです。これは、欧米人に比べて首の細い日本人の赤ちゃんに合わせてのことだそうです。
違い③治療期間
「スターバンド」に比べて「アイメット」のほうが治療期間が長いです。
「スターバンド」では、医療機器としての使用期間が最大6ヶ月までと定められているため、それ以上は使用しないようにと、フォローアップ施設ではっきりといわれました。
たとえ、治療効果がまだ不十分だと感じていても、6ヶ月を超えるとフォローアップ施設でヘルメット内部を削る調整もしてもらえなくなるため、きつくなって使用できなくなります。
一方で「アイメット」は半年~1年治療することができるので、場合によっては満足するまで治療を続けられるかもしれません(ただ、その場合にはもうひとつヘルメットを作る必要があるなど、費用はかかるかもしれませんが…)。
違い④デザイン
米国製「スターバンド」は50種類以上、「ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット」は30種類と、デザインはシンプルなものから派手なものまで、豊富です。
一方で日本製「アイメットは」1カラー・1デザイン、「クルム」は3カラー・1デザインとシンプル。
治療用ヘルメットは、およそ半年間の治療期間中、我が子が毎日身につけるもの。我が子の一部のように思えてくるアイテムです。せっかくなら気に入ったデザインを選びたいものです。
シンプルなデザインを選び、市販のステッカーでアレンジする方も多いようです。上の写真のステッカーは、「Ocean Crown」というサイトから購入したものです。
違い⑤フォローアップ施設数
各製品ごとに、フォローアップ(診察・調整など)できる施設数が異なります。
我が家は、
無理なく治療に通えるか?
ということが最大のポイントとなって、「スターバンド」に決めました。
2~4週間ごとに通う必要があったので、私と赤ちゃんだけで電車に乗って、通うことができる距離か…と考えたときに「スターバンド」しか選択肢がありませんでした。
現在、「スターバンド」がフォローアップ施設数が最も多く、日本全国どこに住んでいる方でも、4製品のなかでは一番治療に通いやすいのではないでしょうか。
さいごに
我が家はフォローアップ施設へのアクセスが最大の決め手となって「スターバンド」に決めましたが、あとから性能などの話を聞いても「スターバンド」にしてよかったと思うし、後悔はありません。
ただ、それは治療を始めたのが冬だったからの話で、もし真夏に治療を始める必要があったなら、より通気性がいい製品を(多少アクセスが大変だとしても…)選んでいたかもしれないなとは思います。
ヘルメット治療
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