我が家では不妊治療をして、無事に妊娠・出産することができました。
幸いにも【人工授精】のステップで妊娠することができましたが、不妊治療を始めた当初は、
・いつまで続けなければいけないのか?
・いくらかかってしまうのか?
先が見えないことの不安が大きかったです。
そのような状況で、不妊治療と同時に始めていたことがあります。
それは、確定申告で医療費控除をするための「準備」です。
この「準備」をしていたおかげで、確定申告の医療費控除は驚くほどスムーズにできました。1月に赤ちゃんが生まれ、バタバタしている時期の2月に確定申告をしたのですが、パソコン上の操作で(育児時間含めて)2時間もかからず、終わらせることができました。
「確定申告なんてやったこともないし、どれだけ大変なの?」と不安に思っている方のために、確定申告で医療費控除をするための準備と、パソコン上で医療費控除をする流れについてまとめてみました。
不妊治療を始めたら、同時に進めておきたい準備とは?
医療費控除とは
医療費控除とは、その年に支払った医療費が10万円を超えた場合に、支払った税金の一部が返ってくる制度です。
その年の1月1日から12月31日までの間に自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合において、その支払った医療費が一定額を超えるときは、その医療費の額を基に計算される金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。
(国税庁HPより引用)
人工授精にかかった費用も対象になるの?
人工授精にかかった費用も医療費控除の対象になります。
【照会要旨】
不妊症の治療費や人工授精の費用は、医療費控除の対象になりますか。【回答要旨】
医師による診療等の対価として支払われる不妊症の治療費及び人工授精の費用は、医療費控除の対象となります。
(国税庁HPより引用)
いくらくらい返ってくるの? 我が家の場合
我が家では1年間で、
- 人工授精 約2万円/回×3回、それに関連する投薬・検査
- 妊婦検診費用
- そのほか家族にかかった医療費
など、計15万円強の医療費がかかりました(出産費用に関しては、年をまたいだため、翌年の確定申告で医療費控除をします)。
計15万円強の医療費で、10万円を超えたので確定申告で医療費控除を行なったところ、1万円強が返ってきました。
医療費控除をスムーズに行なうための準備
このように、不妊治療を始めると、人工授精を何回か行なっただけでもあっというまに10万円を超えてしまいます。
そのため、不妊治療を始めたら、同時に医療費控除を行なうための準備を進めておくことをおすすめします。
準備とは、
①国税庁のHPから医療費集計フォームをダウンロードし、
②病院代、薬代、交通費を医療費集計フォームにまとめておく、ことです。
医療費集計フォームに入力・保存したデータは、確定申告書等作成コーナーの医療費控除の入力画面で読み込み、反映することができます。
医療費集計フォームの書き方は、国税庁のHPにも説明がありますが、私は次のように医療機関名と、交通手段を交互に書いていました。
JR(〇月〇日 〇〇~〇〇 ←区間)
ちなみに、我が家では1年間で約50回の通院・投薬とそれにともなう交通費の記録がありましたが、一瞬で確定申告の書類に反映されて、感激でした。
パソコン上で確定申告・医療費控除をする流れ
- 1つの会社から給与所得のある会社員が、
- 確定申告で医療費控除とふるさと納税の寄附金控除(医療費控除をする場合、ワンストップ特例制度が使えなくなります)をする
場合の流れを書いてみました(画像は国税庁の確定申告作成コーナーよりお借りしています)。
手元に
- 医療費集計フォーム
- 源泉徴収票
があれば、画面の指示にしたがって入力するだけなので、簡単でした。
①国税庁のHPより、確定申告書作成コーナーに進みます。

②初めて作成する人は、「作成開始」を選択します。

後者では税務署で発行されたID・パスワード方式の届出完了通知が必要です。私はどちらも持っていなかったため、印刷して書面提出する方法を選びました。

④利用できるかどうかの、事前確認を行ないます。プリンターを持っていない場合でも、コンビニで印刷できるので大丈夫です。

⑤いつの申告書類を作成するのか、選びます。

⑥会社員、医療費控除の場合、所得税を選びます。

⑦該当するものを選びます。

⑧事前に用意する書類が提示されます。産休・育休中に源泉徴収票が届かない場合、会社に問い合わせる必要があるかもしれません。

⑨生年月日を入力します。

⑩所得の種類を入力します。

⑪勤務先の数を選びます。また、年末調整が済んでいるかどうか、選びます。

⑫該当するものを選びます。医療費控除とふるさと納税の控除をしたい場合、次の2か所にチェックを入れます。

⑬源泉徴収票を見ながら、金額を入力します。

⑭源泉徴収票を見ながら、入力します。

⑮ 源泉徴収票を見ながら、入力します。

⑯給与の支払者の氏名・名称が正しいか、確認します。
⑰収入・ 所得金額の入力が正しいか、確認します。
⑱医療費控除の入力をします。

⑲どちらか一方しか利用できません。不妊治療や出産に関する医療費控除をしたい場合、左側を選びます。

⑳医療費の内訳をどのように入力するか、方法を選びます。上で準備として記載した「医療費集計フォーム」を使うと、とても簡単に入力できました。

㉑医療費集計フォームの読込結果を確認します。
㉒入力内容の一覧を確認します。
㉓医療費控除の計算結果を確認します。
㉔ふるさと納税の寄附金控除を入力します。

㉕ふるさと納税の情報を入力します。


㉖ふるさと納税の寄附金控除の計算結果を確認します。
㉗入力内容を確認し、OKなら次へ進みます。

㉘該当する場合には入力します。

㉙計算結果の確認をします。ここで、「還付される金額は、〇〇円です」と表示されます。
㉚該当するものを選びます。

㉛還付金額が表示されます。続いて、住所氏名などを入力します。



㉜マイナンバーの入力をします。
㉝印刷する帳票を選択し、印刷します。私はプリンターを持っていないので、pdfとして保存してからコンビニで印刷しました。
㉞印刷された書類に押印します。
㉟印刷された書類の、指示された箇所に源泉徴収票の原本、本人確認書類のコピー、ふるさと納税の寄附金の受領証等を添付します。
㊱住所地の所轄の税務署あてに、下記のいずれかの方法で書類を提出します。
- 郵便又は信書便で送付
- 税務署の受付に持参
- 税務署の時間外収受箱へ投函
還付金はいつ振り込まれるの?
私の場合ですが、書類を郵送してから約1ヶ月後に、所轄の税務署からはがきが届きました。「国税還付金振込通知書」というもので、還付金額が振り込まれたことの通知でした。
確定申告にかかった所要時間
新生児の育児をしながらでしたが、パソコン上で入力するのにかかった時間は2時間ほどでした。赤ちゃんがすやすやと寝ている時間だったら、1時間もかからない作業量だと思います。書類が完成したら、データにして、印刷して送る(もしくは持参する)だけです。
出産後の確定申告をスムーズに進めるには、あらかじめコツコツと医療費集計フォームに入力し、準備を進めておくことをおすすめします。そうすることで、敷居が高かった確定申告ですが、大したことないと思えました。
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