私は妊娠30週のときに発覚した逆子(その後いったん直るけど、また逆子に)のため、妊娠38週のときに予定帝王切開にて出産しました。
今回は、長くなりますが、出産レポ①~出産レポ③の3回に分けて、逆子で帝王切開による出産と入院生活についてレポ(体験談)を書いてみました。
手術当日 朝の過ごし方
帝王切開当日、朝の「to Do」は、次の3つでした。
- 点滴開始
- 着圧ソックス着用
- 身だしなみを整える
- NST・浣腸
①点滴開始
早朝5時、病室にスタッフの方がやってきて、点滴開始となりました。
点滴を受けるのは、おそらく人生初? だったと思います。病人ではないのに、まるで自分が病人になったような気分でした。
②着圧ソックス着用
その後、別のスタッフの方がやってきて、足に着圧ソックスをはかせてくれました。
③身だしなみを整える
手術まで時間があるから寝ててもいいよといわれましたが、6時すぎからNSTと聞いていたので、それまでの間に顔を洗ったり、歯を磨いたり、身だしなみを整えました。
④NST・浣腸
LDRでNSTを受けて、赤ちゃんが元気なことを確認し、寝た状態のまま浣腸をしました。
そのままLDRに待機し、7時半頃、付き添いの夫が到着してまもなく手術室に呼ばれました。8時頃から手術開始とのことでした。
いざ手術室へ・・・
手術室の前まで夫と一緒に来てびっくりしたのは、ドアが開放されていることでした!
外の廊下から手術台が丸見えで、「私、あの台に乗るのか。私の切られたおなか、外の雑菌にさらされない…?」と心配になってしまいました。夫も「こんなに開放的なんだ」とびっくりしていました。
実際には、扉を閉めてしまえばおそらく圧の関係で外の雑菌は手術室に入らないようになっているのだと思うし、私自身、抗生物質の点滴も受けていたし、とくに感染はしませんでした。
ただ、「手術」といえば、ドラマなどで見るように、医師が厳重に手を洗って、エアーシャワー(?)みたいな空間をとおって手術室に入るイメージがあったので、担当医師がどこからともなくふらっと現れたときは、(知っている顔に)ほっとすると同時に、「え、いまからおなか切るのにこんなに簡単でいいの?」とびっくりしました。
手術当日 手術中のこと
帝王切開当日、手術前後の「to Do」は次の4つでした。
- 経腹エコー
- 麻酔
- 導尿カテーテル挿入
- 帝王切開手術
前日、シャワーを浴びたときからずっと、産院で渡された手術着を着用していました。
手術着は丈の長いシャツのような形で、上だけです。ズボンはありませんでした。手術台に上がると、ショーツをとり、手術着は胸のところまでまくり上げられた状態(=ほぼ裸)で、さまざまな処置を受けることになります。
このとき、スタッフの方たち(産婦人科医2名、小児科医1名、看護師さんや助産師さんなど数名)がたくさん集まってきて、「いよいよなんだ」と緊張してきましたが、いろいろなことを考える間もなく、処置はどんどん進みました。
①経腹エコー
担当医がやってきて、経腹エコーにて、最終的に逆子が戻っていないことを確認しました。「破水しなくてよかったね」と声をかけていただき、少し和みました。
②麻酔
背中を丸めた姿勢で麻酔を入れてもらうと、下にしていた右足から徐々に麻酔が効いてきて、すぐに下半身の感覚がなくなり、自分で動かすことはできなくなりました。
まな板の上の鯉状態です。通常の分娩のように、足を広げた状態で固定されます。
③導尿カテーテル挿入
麻酔のあと、導尿カテーテルが入れられました。「痛い」という人もいるようですが、私の場合はあっという間のことで、痛みは感じませんでした。
④帝王切開
手術開始
先生が腹部に氷(?)を当てて冷たいかどうかを聞きながら、麻酔のかかり具合を確認し、布がかけられ、手術が始まります。

布がかけられるまで、何人もの前で下半身裸のままさらされていたので、けっこう恥ずかしかったです。しかもその状態で、初めて会う手術補助の先生に挨拶することになり、気まずい思いでした…。
意識ははっきりしているので、どこを見ていいのかわからず、ぼんやりと上部を眺めているのですが、ちょうどベッドの上に銀色のライトがあり、その「銀色の部分」に、開腹されている自分の姿が映っていました。
メスが入ったのがわかり、「銀色の部分」に映っているのもなんだか赤いものだったのですが、凝視するのは怖かったので、なるべく目をそらしていました。

もし勇気がある方は、「銀色の部分」を凝視していれば自分が開腹されている貴重な画を見ることができると思います!
赤ちゃん誕生
メスを入れるときの痛みはありませんでしたが、おなかを引っ張られるような感覚はあり、なかなか痛かったです。
何分経ったのかわかりませんが(なかには5分くらいで赤ちゃんに対面する人もいるようですが、私の場合は5分より長くかかった印象でした)、「そろそろ赤ちゃん出てきますよ」と助産師さんが私の顔を持ち上げてくれて、先生が赤ちゃんを取り上げて私のほうに見せてくださいました。

自然と涙が出ました。
赤ちゃんはおしりから出てきましたが、そのおしりは緑色の何かで覆われていて一瞬不安になりました。それは胎脂というものだそうで、週数が早めなので多めについていたそうです。
出てきた瞬間の赤ちゃんは泣き声をあげませんでしたが、小児科の先生と助産師さんに渡され、チューブを入れたり処置を受けている間に、元気な産声をあげてくれました。そのあとくしゃみもしていました。
私が赤ちゃんのほうを見ていると、小児科の先生は「大丈夫」とか「元気だよ」などと声をかけてくれました。
おなかを閉じる処置
その間、私のおなかを閉じる処置が進められていました。
あとから知ることになりますが、このときすでに出血多めだったようです。
手術中はそんなことも知らずに、同時進行で処置を受ける赤ちゃんをずっと見ていました。出血が多かったのは子宮内膜症(腺筋症)があるためではないかといわれました。帝王切開の手術のときに、内膜症のほうも少し切ってくれたとか? そのため処置に時間がかかったのかもしれません。
手術が終わったとき、先生が麻酔が切れたあとの痛みについて説明を始めたので、「すでに痛い気がします」と伝えると、さっそく背中からの痛み止めの点滴が開始になりました。

手術室を出るときに、赤ちゃんを私の顔の横に持ってきてくれたのですが、いいタイミングで手術室前にいたはずの夫と母が行方不明になり(邪魔になると思い、手術の直前にいたLDRに戻っていたそうです)、ベストショットを撮り損ねました。
手術当日 手術後のこと
帝王切開当日、手術後の「to Do」(できごと)は次の2点でした。
- 足にポンプ装着
- 出血多量
- 止血・輸血の処置
①足にポンプ装着
ストレッチャー(?)に乗せられて病室に運ばれ、足にはフットマッサージ器のようなポンプ(血栓予防のため)が取り付けられました。
比較的早い段階で、左足の感覚は戻ってきてポンプがついていることもわかったし、指先のほうから動かせるようになりましたが、右足のほうはポンプがついている感覚もなく、動かせるようになったのは夜中になってからでした。
足が自分で動かせるようになると、ポンプが取り外されました。
②出血多量のため貧血に
定期的にスタッフさんがやってきて、体温や血圧の測定や、悪露の確認をしてくれました。その間、36℃台だった体温が徐々に下がって、35℃台になりました。
行方不明になっていた夫と母がしばらくしてやってきて、話をするのですが、なんとなくだるく、話したくない感じがありました。
そのうち気分が本格的に悪くなってきて、やってきたスタッフさんにその旨訴えると、「出血が多い」と騒々しくなり、先生たちもやってきて、再び処置のためLDRに戻りました。
③止血・輸血を受ける
あとから聞いたところによると、出血は2Lを超えていたようで、母と夫は出血が止まらないようなら子宮を摘出することになるかもしれないという説明を受けたようです。
血管が細くなっていたため、点滴のルート確保がなかなかうまくいかず、何度も針を刺されましたが、痛みを感じないくらいぼーっとした状態になっていました。止血剤の点滴を受けつつ、バルーンで止血し、午後からは輸血を受けることになりました。輸血を始めると、顔色は相変わらず悪いといわれましたが、気分はだいぶよくなってきました。
この日はずっと寝たきりでした。
夜になって体調が落ち着くと、スタッフさんが赤ちゃんを連れてきてくれました。

お世話ができる状態ではなかったので眺めているだけでしたが、ぐずぐずしている赤ちゃんを見ているだけで和みました。
じっと横になっていると、傷口の痛みはまったくありませんでした。手術直後から背中のチューブをとおして痛み止めの点滴が流れていたようですが、夜には中止されていたようです。
声が出なくなるくらいのどが渇いていましたが、夜には水分をとることの許可が出たので、スタッフさんが持ってきてくれた麦茶や野菜ジュースなどを飲みました。



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